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米国糖尿病学会の食事療法についての考え方-糖質制限を容認しているというけれど

糖質制限派からは、米国糖尿病学会が糖質制限を認めているという話がよく出てきます。

最近に江部先生のブログでも
このように、米国糖尿病学会は2013年10月、「成人糖尿病患者の食事療法に関する声明」で糖質制限食を正式に容認しました。
すなわち、長年の『糖質制限食の是非論争』に関して国際的には是として決着がついたと言えます。

とあります。

このブログでも、米国糖尿病学会のホームページに糖質制限について記載されていることを記事にしました。
糖質制限?脂質制限?米国糖尿病学会はどういっているのか?
ちなみに、米国糖尿病学会のホームページのPlanning Mealsに掲載されています。
www.diabetes.org > Food and Fitness > Food > Planning Meals
その主張のポイントは、

糖尿病の人には、誰にも万能な(“one size fits all” )食事パターンはない
多くの異なる摂食パターンが糖尿病管理に役立つ。

であると思います。
一方で、糖質制限について米国糖尿病学会が積極的に認めているのかというとそうでもないらしいという事も記事にしました。
アメリカ糖尿病学会は糖質制限を推奨しているのか?

 

さて現在はどうなのでしょうか。

米国糖尿病学会は毎年、「Standards of Medical Care in Diabetes(糖尿病治療の基準)」を1月に発表していて、ホームページで公開しています。
(脱線しますが、公開する事自体がが日本の学会と大きく異なることだと思います。学会は誰のためにあるのか、ということでもあります)

2018年のものを見てみると、

食事パターン、栄養素の配分、食事計画
糖尿病患者に理想的な炭水化物、タンパク質、脂肪からのカロリー比率はないことをエビデンスが示している。したがって、栄養素の配分は、現在の食事パターン、好み、および代謝目標に関する個人別の診断に基づくべきだ。患者にとってベストな食事パターンをを決定するには、代謝の目標とともに個人の好み(例えば、伝統、文化、宗教、健康信念や目標、経済学)も考慮する。ヘルスケアチームのメンバーは、すべてのタイプの糖尿病患者の栄養療法の原則について知識があり、患者が実行にサポーティブであることが重要だ。特定の栄養素に焦点をあてるのではなく、栄養の多い食品を含む健康的な食事パターンに重点を置くべきだ。様々な食事パターンが糖尿病管理に受け入れられる。地中海食、DASH食、プラントベースの食事が、肯定的な研究結果を示すすべての食事パターンだ、)(停止する)、食物アプローチ56 – 58、および植物ベースの食餌()59、60)は、研究において肯定的な結果が出た健康的な食事パターンの例であるが、患者個人の食事計画は、その人の好み、ニーズ、目標に焦点を当てるべきだ。

特定の栄養素に焦点をあてるべきでない、と主張しているように思えます。
だからなのでしょうか。糖質制限食、脂質制限食について、研究で肯定的な結果が出た食事法にはあげられていません。

糖質制限については以下の記述がありました。

糖尿病患者の低炭水化物食の効果ははっきりしていない。その混乱の原因の一部は、低炭水化物食の定義が幅広いことにある。低炭水化物食の効果が示されている一方で、その効果は短期間で、長期ではその効果は維持されていない傾向にある。強い低炭水化物食、ケトン食(炭水化物50g/日未満)がある程度の効果を示すという研究がいくつかあるが、長期間にわたる効果や害を示す研究はほとんどないので、これは最大3-4か月の短期間の実行には適しているかもしれない。

長期にわたる安全性を示す研究はほとんどない(害を示す研究もほとんどないと言っている)ので、やっても短期間にとどめたほうがよさそう、という主張ですと思います。

これらの記述から、糖質制限を容認している、と受け取ることもできますが、どちらかといえば肯定的というより否定的であると感じます。
日本糖尿病学会とあまり考えは変わらないのではないでしょうか。
(このグローバルな時代に、国によって大きく異なったらそのほうがおかしいです)

ただ、日本糖尿病学会と大きく異なるのは、

糖尿病患者に理想的な炭水化物、タンパク質、脂肪からのカロリー比率はないことをエビデンスが示している。
患者個人の食事計画は、その人の好み、ニーズ、目標に焦点を当てるべきだ。

の2点であると思います。

米国糖尿病学会は、栄養素の比率を定められないとしており、
日本糖尿病学会は、正しい(適切な)栄養素の比率がある、としているようです。

どうしてこのような違いが出てくるのか、、、これは完全な憶測ですが
・アメリカは多民族、他宗教など食生活がそもそも異なる人の集団であること
・基本的な考え方として個人主義(食事の選択は個人が決めること)
・日本と保険制度が異なる(日本は国民一律皆保険、アメリカはオバマケアまでは保険は民間で無保険の人も多い)
・アメリカは訴訟社会である(食事療法は「これしかない」と断定した場合、訴訟のリスクがある)
など等の社会的な違いが大きいように思います。

もうひとつは、どんな食事でもよいから、総カロリーを抑制して減量することが効果的な食事療法だ、と考えているようであることです。
アメリカはやせ型糖尿病はあまりいないのかもしれません。

日本糖尿病学会がカロリー制限食を推奨すること自体は、一つの考え方なので患者である私が否定できるものではありません
しかし、日本糖尿病学会も、現在推奨しているカロリー制限食以外にも、糖尿病患者の食事の選択肢があることを認めてほしいものです。

個人的には、将来入院したときや介護施設に入った時などに、食事は自己選択できるようになってくれれば、それでよいのですが。

コメント

  1. Mika より:

    こんにちわ52歳女です(^O^)/糖質制限を始め10ケ月始めの3ケ月は炭水化物は一食の食事の時のみ半年後からはほとんど炭水化物を抜きMEK生活で体重は6キロ位減週4日は筋トレ、有酸素運動に励み健康診断に望みましたコレステロール膳、悪、血圧等改善しておりますがヘモグロビンA1に関してわ全く改善されてショックでした。何で糖質制限これだけ制限して時間も経過しているのに数値は以前と変わらず6、1のまま病院で何でですかねと聞くと遺伝ですね。この一言だけで終了……あーショック

    • ホリデー より:

      Mikaさん
      それだけ努力をしながらHba1cが変わらないとがっかりしますね。
      その他の数値が良くなったことを良しとするにしても、Hba1cもよくなってほしいですね。

      血糖値は測定されていますか?
      血糖値の傾向が一つンヒントのはなると思うのですが。