糖質制限ダイエットは老化を顕著にし寿命も縮める?

ここ2,3日話題になっている「糖質制限ダイエットは老化を顕著にし寿命も縮める」という東北大学大学院・農学研究科の実験結果の件です。
今日、めざましテレビでも取り上げられていました。
マウスに糖質制限食を1年投与した結果老化が早まったという実験結果で、めざましテレビでは老化したマウスと通常の食事のマウスの比較写真が出ていました。これはインパクトがありました。

江部先生のブログでも、不安に感じで質問されている方が何名かいて、江部先生が記事として取り上げていらっしゃいました。
その論旨を要約すると
①「そもそもマウスの食事実験の結果はヒトには当てはまらない。」本来主食が全く異なるマウス・ラットなどネズミ類で人類の食物代謝の研究をおこなうのは、出発点から根本的に間違っている可能性が高い
②江部先生ご自身が16年糖質制限を続け68歳で年齢以上の若さと健康を維持できている
の2点と理解しました。

さてこれを医学や生物の専門知識のない素人がどう考えるか、ということです江部先生が言っているから、というのは安心材料にはなりますが、それだけでなく自分なりに考えてみることも必要ではないかと思い、考察してみました。

①についてですが、これはマウスの食事実験が研究として認められているのであれば、ヒトにあてはまる場合もあり、江部先生が指摘するように当てはまらない場合もあるのだろうと思います。この分野の研究について私は専門外ですが、実験や調査の結果の援用・拡大解釈(この場合だとマウスの実験結果がこの実験の場合だとヒトの場合もそうであると推論してよい)の根拠が示されていないと科学的研究の結論としての信憑性に問題ありと思います。
例えば、ヒトの実験であれば糖質比率40%だと糖質制限と呼べるのか、ということも問題になるわけで、マウスでの実験であれば、この実験での糖質制限比率がヒトの場合には同じ比率と考えてよいのか、とかあるいはそのことは問題にしなくてよいのだ、ということなど様々なことについて根拠(理論や過去の論文など)を示さないといけないのではないかと思われます。

②の、江部先生ご自身のデータは確かに納得感もありますが、一方でたまたまその人の場合だけでほかの人に当てはまるかわからない、糖質制限15年では問題が出ないが20年以上続けると問題が出るということもありえる、等の疑問も生じます。エビデンスとしては弱いということになります。
そうなると、
a) 糖質制限1年の実験でマウスが老化したから、糖質制限は人間の老化を早める、という説
b)糖質制限を年以上実施して60代後半でも年齢以上に若く健康であるヒトがいるから糖質制限は長期の実施で健康が維持できかつ若さを保てるかも?という説
のどちらが確からしいかということになるのではないでしょうか。ヒトひとりの事実を他の多くの人間に適用するのも無理がありますが、マウスの事実を人間に適用するほうがもっと無理があるようにも思います。また、60台、70台で糖質制限で健康を保っている方はほかにもたくさんいらっしゃるのでそのような情報も踏まえてると私はbが確からしいのではないかと思います。

糖質制限食の長期的安全性については、大量の長期的観察データが示されないと、科学的には結論が出そうにないですね。
「長期的にはリスクがあるかも?」という説にたいしてリスクがないという証明を行うのは、不可能に近い近い命題です。

医学を含めた科学は人体について様々な知見がある一方、体全体の健康とか、食事と人体への影響などはまだまだ解明されていないことが多いようです。
「コレステロール値が高くなるから卵は一日一個しかとっていけない」という説が関連学会や厚労省レベルで公式に否定されたのはわずか数年前であることを思い出します。(卵だけでなく、食事で摂取するコレストロールについての見解だったと思いますが)これは糖質制限食にはありがたい情報ですが、数年前までそんなことすら解明できていなかった、少なくとも学術レベルでのコンセンサスがなかったというのが人体の健康に関する近代科学の実力であるというふうに私は考えています。(ちなみに私は2017年12月に、糖尿病学会専門医の経営するクリニックの栄養指導で卵は一日一個まで、と指導されました)

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